2024年12月日语能力考N1完型原文
久しぶりに少し、落ち込んでいる。お気に入りのピアスを片方、落としてしまったからだ。
最近久违有些小失落,因为我弄丢了一只心爱的耳饰。
これが一人で行動している昼間なら、諦めがつくまで探しに戻るが、生憎、紛失に気付いたのは夜。それも編集者の方々に丸一日取材にご同行いただいた末、お疲れさまと入った店であった。
若是在白天独自一人行动,我定会不遗余力地寻回遗失之物。然而,不巧的是,我直到晚上才发现东西丢了。更令我懊恼的是,在与编辑同仁共度了一整天的采访之后,于一家餐厅用餐时才意识到这事。
ようやく一息ついてらっしゃる編集者さんたちに、気を使わせられはしない。動揺を押し殺してさりげなく周りを見回し、やっぱりない、と片耳に触れるのが精いっぱい。朝からほうぼう歩き回った後のため、探しに行くのはどう考えても不可能で、そのまますごすごと家に引き上げた。
编辑同仁们好不容易得以稍作休息,我实在不忍心打扰。强忍着内心的慌乱,我不动声色地环顾四周,却始终未能寻回遗失之物,只能勉强沮丧地抚摸着失去耳饰的那只耳朵。由于经历了一大早的奔波,我已身心俱疲,根本无力再行寻找,只能无奈地打道回府。
親しいお店で作っていただいたピアスなので、片方だけ発注するのは難しくない。それにもかかわらず自分でも珍しいほど落ち込んだのは、それが三、四年ぶりの落とし物だったからだ。
鉴于这副耳饰是在熟识的店铺定制的,单独补做一只其实并非难事。尽管如此,我却为此感到异常失落,因为这是我近三、四年来少有的遗失物品。
ピアスホールを開けて間がない二十代の頃は、着用に慣れていなかったため、二、三か月に一度は必ずピアスを落とした。三十代からは徐々にそれが間遠になり、この数年はとんと失敗をしていない。
二十岁出头时,我刚打耳洞不久,因佩戴耳饰经验尚浅,每隔两三个月便会不慎丢失一次。但过了三十岁以后,这种情况逐渐减少,近几年来更是再未发生过。
最初から自分の迂闊さを承知していれば、何を落とそうともがっかりはしない。もはやそんなことはあるまいと高を括っていただけに、傲慢な自分がなおさら情けなくなる。顧みれば逆上がりも九九も苦手だった子供の頃は、「できないこと」をたくさん抱えているのが当然で、どんなミスをしても平気だった。大人になればなるほど、失敗が怖く、人の眼が気になってきたのは、知らず知らずのうちに自分が「できる」人間と考えるに至ったからかもしれない。
如果一开始就意识到自己的粗心大意,那么无论丢失什么都不会感到如此失望。正因为我曾以为这种事情不可能发生,才更加为自己的傲慢感到羞愧。细想起来,小时候既不能熟练翻跟头,也不能熟记九九乘法表,种种能力的不足对我而言是常态。因此,犯错于我而言并不算什么大事。然而,随着年龄的增长,我开始畏惧失败,也愈发在意他人的目光。这或许是因为我潜意识中将自己定位为“能人”的缘故吧。
だがそもそも、年を重ねたから失敗をしないというのは、幻想だ。ピアスだって、最近たまたま落とさない日々が続いていただけで、明日からは毎日紛失を重ねるかもしれない。いや、自分のうっかり工合を考えれば、むしろその方が自然だと自分に言い聞かせながら、私はまだピアスの消えた片耳を撫で続けている。
然而,认为随着年龄增长便能避免犯错,实乃幻想。就以耳饰为例,近来未曾丢失,实乃偶然,明日或将日日失之。念及自身之粗心,与其说日日失之,倒不如说如此更为寻常。此刻,我仍抚摸着失去耳饰的那只耳朵,如此自言自语。
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