Q:当社の顧客は、自ら指定した第三者を通じて当社から製品を購入することを希望している。すなわち、商流は、当社が顧客の指定する第三者に製品を販売し、顧客が指定する第三者が顧客に製品を販売する流れになる。そのうえでさらに、顧客は、当社とその指定した第三者との決済方式を後払いにしたいと希望しており、事前に当社に担保書類を発行して、その指定した第三者の支払いに対して連帯担保責任を負う意向を表明している。これに対して、当社は何に注意しなければならないのか?
A:会社法及び担保に関する司法解釈の規定に基づき、会社が第三者に担保を提供する場合は、定款の規定に従い、株主、株主総会、董事会の決議を行わなければならない。ただし、次の状況(上場企業を除く)のいずれかに該当すれば、上記の決議を必要としない。
完全子会社に対してその経営活動を行うために担保を提供する場合。
担保契約が会社の担保事項について単独または共同で3分の2以上の議決権を有する株主により署名されて同意されている場合。
上記の法律規定に基づき、冒頭の質問のような状況が発生した場合、まず顧客とその指定した第三者との間に上記の例外状況となる資本関係があるかどうかを確認する必要がある。
第1項の例外状況となる資本関係がある場合、すなわち、顧客が非上場企業であり、かつ、その指定した第三者が顧客の完全子会社である場合には、顧客が指定した第三者は、顧客の董事会又は株主総会(株主)の決議を必要とせずに担保することができる。
第2項の例外状況となる資本関係がある場合、すなわち、顧客が非上場企業であり、担保事項に関する顧客の議決権の3分の2以上を有する第三者を指定して担保を提供する場合には、顧客が発行した担保書類に株主として署名して同意することを顧客が指定する第三者に要求するか、もしくは定款に準拠した債務連帯責任の負担に関する株主、株主総会、董事会の決議を提供することを要求することを推奨する。
例外状況となる資本関係がない場合には、定款に準拠した債務連帯責任の負担に関する株主、株主総会、董事会の決議の提供を顧客に求めることを推奨する。
一方、顧客の担保が法定条件を満たしていない場合(すなわち、株主、株主総会、董事会の決議が必要であるが、実際に株主、株主総会、董事会の決議がない場合)は、リスクがある。訴訟等が起きた場合には、顧客の担保が無効と認定される可能性が高いと考えられる。
担保が無効である状況下で顧客が指定する第三者が支払いを実施せず、貴社から顧客に連帯担保責任を負わせる要求に裁判所が全額支持するかどうかは、貴社に過失の有無による。対外的に担保を提供するには株主、株主総会、董事会の決議を経なければならないと明文化されている以上、事前に十分な確認ができていないなら全く過失がないとは言えず、貴社が主張する金額の全てを裁判所から支持されることは難しいと考える。
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