中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議コミュニケ要点

　中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議が2024年7月15日から18日まで北京で開催された。全体会議には、199名の中央委員と165名の補欠中央委員が出席した。中央紀律検査委員会常務委員と関係党の担当同志が出席した。第20回党大会代表の中の一部の草の根の同志と専門家、学者も出席した。

　中央委員会政治局の委託を受け、習近平総書記が工作報告を行い「改革をさらに全面的に深化させ、中国式の現代化を推進することに関する決定」を審議、採択。

　国内外の二大情勢に基づき、「五位一体」の全体的配置を推し進め、「四つの総合」の戦略的配置を調整し、経済体制の改革を牽引役とし、社会正義と人民の福利の増進を起点と終点とし、体制の一体化をより重視。生産関係と生産力、上部構造と経済基盤、国家統治と社会発展のより良い両立を促進し、中国式現代化の強力な推進力に制度的保障を提供する。

　2029年の中華人民共和国建国80周年までには、本決定に示された改革課題を完了する。

• ハイレベルな社会主義市場経済システムは、中国式近代化の重要な保証。市場メカニズムの役割をよりよく発揮し、より公平でダイナミックな市場環境を作り出し、資源配分の効率を最適化し、利益を最大化する。公有制経済を揺るぎなく強化・発展させ、非公有経済の発展を揺るぎなく奨励・支持・指導し、あらゆる所有制の経済が生産要素への平等なアクセス、市場競争への公正な参加、法に基づく平等な保護を確保し、あらゆる所有権の経済の強みの相互補完と共通の発展を促進する。統一された全国市場を建設し、市場経済の基本システムを改善する。

• 質の高い発展は、現代社会主義国家を全面的に建設する主要な任務である。新たな発展段階に基づき、新たな発展理念で改革を主導し、供給側の構造改革を深化させ、インセンティブと制約のメカニズムを改善し、質の高い発展を促進し、発展の新たな活力エネルギーと新たな優位性を形成する。

• 教育、科学技術、人材は、中国式現代化の基本的かつ戦略的な支えである。科学と教育で国を発展させる戦略、人材で国を強化する戦略、イノベーション主導の発展戦略を深く実施し、教育、科学技術、人材の制度とメカニズムの改革を全体として協調的に推し進め、新型の国家リフティングシステムを改善し、国家イノベーションシステムの全体的有効性を高める。

• 科学的なマクロ経済コントロールと効果的な政府統治は、社会主義市場経済システムの利点を最大限に発揮するための固有の要件。マクロ経済の規制・管理システムを改善し、財政・税制・金融などの主要分野の改革を調整し、マクロ経済政策の方向性の一貫性を高める。

• 都市と農村の一体的な発展は、中国式の現代化の必然的要件。 新工業化、新都市化、農村の総合的な活性化を調整し、都市と農村の計画、建設、ガバナンスの統合レベルを総合的に向上させ、都市と農村の要素の平等な交換と双方向の流れを促進し、都市と農村の格差を縮小し、都市と農村の共通の繁栄と発展を促進する。

• 対外開放は中国式の現代化の明確な標識である。われわれは対外開放という基本的な国家政策を堅持し、開放による改革の推進を主張し、メガ市場という中国の優位性を基礎とし、国際協力の拡大の中で開放の能力を高め、より高いレベルの新たな開放経済体制を構築する。

• 人民民主主義を発展させることは、中国式の現代化に不可欠な要件。中国の特色ある社会主義政治発展の道を揺るぎなく歩み、中国の基本的かつ基礎的で重要な政治制度を堅持・改善し、各級の民主主義の形式を充実させ、国の政治・社会生活のあらゆる面で人民の主体性を具体的かつ現実的に体現しなければならない。

• 法の支配は、中国式の現代化の重要な保証。憲法を全面的に実施し、その権威を守り、立法、法執行、司法、遵法の改革を協力して推進し、法の下の万民平等を保障するメカニズムを改善し、法治の社会主義精神を促進し、社会正義を守り、国の仕事のあらゆる面で法治を全面的に推進する。立法分野の改革を深化させ、法に基づく行政を推進し、法の公正な執行と司法行政の制度的メカニズムを改善し、法治社会の建設を推進するメカニズムを改善し、渉外問題における法治を強化する。

• 中国式の現代化は、物質文明と精神文明を調和させるものである。 文化的自信を高め、先進的な社会主義文化を発展させ、革命文化を促進し、優れた中国伝統文化を継承し、情報技術の急速な発展への適応を加速させ、優れた文化人材の大量形成を促進し、全国民の文化革新と創意の活力を刺激する。

• 発展の中で人々の生活を守り、向上させることは、中国式の現代化の大きな課題。最善を尽くし、身の丈にあった生活をし、基本的な公共サービスの制度を改善し、普遍的で基本的でボトムアップの生活の建設を強化し、人民が最も関心を持ち、最も直接的で最も現実的な利益の問題を解決し、より良い生活を求める人民の願望を絶えず満足させる。

• 中国式の現代化は、人間と自然との調和のとれた共存の現代化。生態文明システムを改善し、二酸化炭素削減、汚染削減、グリーン拡大と成長を相乗的に推進し、気候変動に積極的に対応し、制度とメカニズムの改善を加速させ、「緑の水と緑の山は黄山、銀山である」という理念を実行に移す。

• 国家安全は、中国式の現代化を着実に進めるための重要な基礎である。 国家安全の全体的な理念を全面的に実施し、国家安全の制度的メカニズムを改善し、質の高い発展とハイレベルの安全との積極的な相互作用を実現し、国の長期的な安定と安全を効果的に保障する。

• 国防と軍隊の近代化は、中国式の現代化の重要な部分。人民の軍隊に対する党の絶対的指導を堅持し、軍隊を強化するための綿密な改革と戦略を実施し、100年軍隊建設と国防・軍隊の基本的現代化という目標を適時に達成するための強力な保障措置を提供する。

• 党の指導は、改革をさらに全面的に深化させ、中国式の現代化を推進する根本的保証である。 「二つの確立」の決定的意義を深く理解し、「四つの意識」を強化し、「四つの確信」を堅持し、「二つの維持」を実現しなければならない。党の自己革命で社会革命を指導するという高度な自意識を維持し、党を統治するうえで改革の精神と厳格な基準を堅持し、党の自己革命的な制度と規範の体系を改善し、党の自己浄化、自己改善、自己再生、自己改革を推し進め続け、党が中国の特色ある社会主義大義の強力な指導核であり続けるようにしなければならない。

• 中国式の現代化は平和的発展の道を歩む現代化である。独立自主の平和外交政策を断固として追求し、人類運命共同体の構築を推進し、全人類共通の価値観を実践し、「世界発展イニシアティブ」、「世界安全保障イニシアティブ」、「世界文明イニシアティブ」を実施し、世界の平等で秩序ある多極化と普遍的で包摂的な経済グローバル化を提唱し、外交のメカニズム改革を深化させ、グローバル・ガバナンス・システムの改革と建設の指導に参与し、国の主権、安全、発展の利益を断固として守らなければならない。

• 全体会議の精神を研究し、実行に移すことは、現在と将来の全党と全国にとって重大な政治課題。全体会議の精神を深く学び、理解し、改革を深化させるテーマ、主要原則、主要イニシアティブ、基本的保障を深く理解し、総合的に把握することが必要。全党は、決定を実行に移し、改革を全面的にさらに深化させる戦略計画を中国式の現代化を推進する力強い力に変えるため、一致団結して努力すべきである。

• 全体会議は現状と課題を分析し、今年1年間の経済・社会発展目標を揺るぎなく達成することを強調。中国共産党中央委員会の決定と経済工作の決定に従い、マクロ政策を実施し、積極的に内需を拡大し、地域の実情に応じた新たな生産性を開発し、対外貿易の新たな原動力の育成を加速し、グリーン・低炭素の発展をしっかりと推進し、人民の生活を効果的に保障・改善し、貧困撲滅運動の成果を強固にし、拡大する。第14次5カ年計画の実施を総括・評価し、第15次5カ年計画の予備計画作業を効果的に実施する。

• 発展と安全保障を一体的にとらえ、不動産、地方政府債務、中小金融機関など重点分野のリスクを予防・解決する措置を実施し、生産安全の責任を厳格に履行し、自然災害、特に洪水に対する監視・予防・コントロール措置を改善し、社会保障リスクの予防・コントロールの緻密なネットワークを構築し、社会の安定を効果的に維持する。世論誘導を強化し、イデオロギーリスクを効果的に予防・解決する必要がある。対外的なリスクと課題に効果的に対処し、グローバル・ガバナンスの主導権を握り、良好な対外環境の形成に率先して取り組む。

• 中央委員会委員の丁向群、于立軍、于吉紅の候補委員を中央委員会委員に交代することを決定。

• 秦剛同志の辞職願を受理し、中央委員会委員から解任することを決定。

• 中国共産党中央軍事委員会の李尚福、李玉超、孫金明の重大な綱紀蹂躙問題の審査報告を審議、採択し、中央委員会政治局がすでに李上復、李玉超、孫金明各氏に対して行った党籍剥奪の処分を確認。