新书预告|井上靖の歴史的想像力(山田哲久)2024年1月

文摘   2024-01-14 17:35   日本  


発行:鼎書房 

A5判    288ページ  

上製価格 5,000円+税

発売予定日   2024年1月30日


紹介

歴史小説はどのように書かれるのか。

最初の歴史小説『漆胡樽』から、大岡昇平との間に論争を生んだ『蒼き狼』まで、現代小説『闘牛』で芥川賞を受賞した井上靖が歴史小説の書き手として認識されていく過程の中で書かれた歴史小説の生成過程を捉える研究。

『天平の甍』や『敦煌』、『蒼き狼』など多くの歴史小説を残した井上靖。
それらの背景には、歴史学の成果や同時代の歴史学者の助言による裏付けがあった。
井上靖の歴史小説は、歴史学の成果をどのように取り込み、また歴史学にどのように応答していたのだろうか。それぞれの歴史小説作品の資料となった文献を特定し、それらが小説化される過程において働いていた歴史的想像力の性質に迫る。井上靖の歴史小説の評価を再検討すると共に、歴史小説が同時代の歴史学と結んだ関係性を明らかにする。


目次

序 章

第Ⅰ部 歴史小説のはじまり
第一章 「しみ」という痕跡―『漆胡樽』における歴史叙述
第二章 状況と想像力―『玉碗記』執筆の周辺
第三章 典拠の機能―『姨捨』の同時代性

第Ⅱ部 歴史小説と歴史学
第四章 史実の断片と可能性としての歴史―『僧行賀の涙』における歴史
第五章 史料の矛盾はどのように語られるか―『天平の甍』と『唐大和上東征伝』
第六章 複数の可能性を語るということ―『敦煌』における歴史の空白

第Ⅲ部 史実という陥穽
第七章 『蒼き狼』論争前夜―井上靖における史実
第八章 歴史小説と典拠―『蒼き狼』における歴史的想像力

第Ⅳ部 様々な歴史小説
第九章 科学的説明と説話的物語―『洪水』の方法と語り
第十章 歴史小説における暦法的時間―『補陀落渡海記』と渡海僧の歴史

歴史小説研究参考文献目録(一九四五〔昭和二〇〕年~二〇二二〔令和四〕年)
あとがき
初出一覧
索  引


著者プロフィール

山田哲久  (ヤマダアキヒサ)  (著/文

1978年、和歌山県新宮市生まれ。同志社大学大学院博士課程単位取得退学。
現在、同志社女子中学校・高等学校教諭。
同志社大学、同志社女子大学嘱託講師。専門は日本近現代文学。


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