文学通信|芥川龍之介の直筆資料約150点を修復

文摘   2024-03-29 08:29   江苏  
横滨市立大学与藤泽市携手合作,共同促进文化与艺术的繁荣发展
横滨市立大学与藤泽市为了促进文化和艺术的发展,于令和4年度签订了旨在修复藤泽市图书馆所藏的芥川龙之介直笔资料的协议。横滨市立大学国际教养学部的庄司达也教授及其研究小组与藤泽市合作,在这两年间对藤泽市图书馆所藏的约150件芥川龙之介直笔资料进行了修复,并在此报告相关情况。
这些资料原本因火灾等原因受到了损坏,但通过本次修复工作,现在可以用于对芥川龙之介的研究。根据该协议,令和6年度以后,还将继续修复剩余约150件的芥川龙之介相关资料。

ー横浜市立大学と藤沢市が連携し、文化・芸術の振興に貢献ー

 横浜市立大学と藤沢市は、文化・芸術の振興を図ることを目的として、令和4年度に「藤沢市文書館*1所蔵の芥川龍之介*2直筆資料修復に係る協定」を締結しました。横浜市立大学国際教養学部 庄司達也教授らの研究グループと藤沢市は、この2年間で、藤沢市文書館が所蔵している芥川龍之介直筆資料約150点の修復を実施しましたので報告します。
 本資料は火災等により毀損していましたが、今回の修復により、同氏の研究に活用できることとなりました。本協定において、令和6年度以降も約150点は残されている芥川龍之介関連資料の修復を引き続き継続します。








実施内容の概要
令和4年度

事業内容資料の保存処理及び修復、並びにデジタルデータの作成
対象資料芥川龍之介英単語ノート等 100点
詳細は別紙「令和4年度修復資料目録」※1
研究代表者横浜市立大学 国際教養学部 庄司 達也教授

令和5年度

事業内容資料の保存処理及び修復、並びにデジタルデータの作成
対象資料芥川龍之介講義ノート(心理学)50点
詳細は別紙「令和5年度修復資料目録」※2
研究代表者横浜市立大学 国際教養学部 庄司 達也教授

※1※2別紙資料はこちらから
https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2023/20240328shojifujisawashi.html

修复工作中可能发现的事项
在进行的修复工作中,发现了一些重要的事情。本次修复的主要目的是将这些之前未被作为研究材料使用的资料群体恢复到可用状态,从而加强未来芥川龙之介研究的基础,并使探索之前不为人知的事实变得更加容易。
藤泽市图书馆所藏的资料群体“葛卷文库”中,有很多资料上有烧痕或水渍。这主要是因为位于世田谷的葛卷义敏先生的家发生了火灾,这是直接原因。本次修复主要针对的是因受灾而难以作为研究对象或素材使用的资料。
在令和4年度,修复了100件资料,而在接下来的两年中,也就是今年,又修复了50件资料。这些资料被认为属于芥川龙之介大学时代的听课笔记。通过这些修复工作,使得这些资料能够作为揭示芥川龙之介获取“知识”过程的宝贵资料,为芥川龙之介研究做出贡献。此外,通过这些资料群体确认年轻时的芥川龙之介作为杰出的“知识”拥有者的形象,不仅与探索日本近代“知识”水平的行为相联系,从近代教育史的角度来看,也备受期待。
実施された修復作業でどのようなことが発見できるのか
 本修復の主眼は、これら研究の場に資料として活用されずにきた資料群を活用可能な形状にすることで、今後の芥川龍之介研究の基盤をより強固なものとし、知られることの無かった事実への探究を容易にするということにあります。
藤沢市文書館所蔵の資料群「葛巻文庫」には焼け跡が確認されるものや、水をかぶった跡の見られるものが多くあります。これは、世田谷にある葛巻義敏(くずまき よしとし) *3氏 の自宅が火災にあったことが直接的な原因となっています。本修復では、罹災により研究の対象や素材として活用が容易でなかった資料を対象としています。
 令和4年度に100点の資料を、さらに2年目にあたる今年度は50点の資料修復を行いました。いずれも、芥川龍之介の大学時代の聴講ノートと位置づけられる資料群と考えられます。これらの修復により、芥川龍之介研究において、芥川龍之介が「知」を獲得するプロセスを明らかにする際の貴重な資料として活用されることを可能としました。また、優れた「知」の所有者としての若き日の芥川龍之介の姿を資料群から確認することは、日本近代における「知」の水準を探る行為とも連なり、近代教育史の観点からも、大いに期待されるところです。

未来可期待的具体成果例
在今后的修复工作中,可以期待一些具体的成果。例如,葛卷义敏先生手中的《芥川龙之介未定稿·素描集》(雪华社,1971年7月出版)中使用的插图和素描原本就是从这批资料中裁剪下来的。通过对这些资料的重新确认,可以与日本近代文学馆所藏的该书的投稿原稿进行对照研究,从而确认这些插图和素描是从笔记本的哪一页裁剪下来的。
过去,人们只是将这些插图和素描作为图像的新奇性和趣味性来关注,但通过这样的对照研究,可能会大大改变观察者的视角。这可能会带来重新解读这些插图和素描的可能性,例如,它们可能蕴含了芥川龙之介某种意图或意义。这样的成果不仅丰富了对芥川龙之介作品的解读,也让我们有机会确认芥川龙之介年轻时对社会、时代和世界积极投入的姿态。
通过这样的修复和研究工作,我们不仅能够更深入地理解芥川龙之介的创作过程和思想,还能够从更广阔的视角审视他的作品与当时社会文化的互动。这对于日本近代文学的研究,乃至对整个文化史的理解,都将带来新的启示和贡献。

今後期待される具体的な成果の一例
 葛巻義敏氏の手になる『芥川龍之介未定稿・デッサン集』(雪華社1971.07)出版の際に使用されたカットやデッサンが切り取られたノートの原本が当該資料と改めて確認されました。そこから、日本近代文学館が所蔵する同書の入稿原稿との照合作業を行うことにより、それらのカットやデッサンが断片化されたノートのどのページから切り取られたのかということの確認が可能となりました。これまでは単なるカットやデッサンとしてその図像の新奇さや面白味のみに注意が傾けられてきましたが、見る者の視線のありかたを大きく変える可能性をもたらすかもしれません。このことは、例えば、それらのカットやデッサンには芥川龍之介が何らかの意図や意味を込めていたのかもしれない、というような読み(解釈)を広げる可能性を期待させるものです。社会や時代、世界の在りように積極的にコミットしようとしていた若き芥川龍之介の姿を確認することができるかもしれません。

庄司 達也 教授  プロフィール
東京成徳大学・教授を経て、2016年4月、横浜市立大学に着任。
専門は、日本近代文学。大正期に活躍した芥川龍之介を中心に、日本近代文学、文化の領域について研究。近年は、作家が聴いた音楽を蓄音機とSPレコードで再現するレコード・コンサートを企画・開催するなど、同時代芸術との関係に注目した研究を多面的に展開。

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https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2022/20221025fujisawacity.html



用語説明
*1:藤沢市文書館 https://digital.city.fujisawa.kanagawa.jp/
*2:芥川 龍之介(1892年~1927年)
   主に大正時代に活躍した人気作家。文豪「夏目漱石」(なつめそうせき)に認められて文壇 デビューし、日本の古典を題材にした「羅生門」(らしょうもん)、「鼻」、「藪の中」(やぶのなか)や「玄鶴山房」「西方の人」などの作品を発表。「語り」の機能などにかかわるさまざまな創作上の試みを行い、現代の作家たちにも少なくはない影響を与え続けている。
*3:葛巻 義敏(1909年~1985年)
   小説家・文学研究家。芥川龍之介の甥。堀辰雄と共に岩波書店版『芥川龍之介全集』を編集、また 『芥川龍之介未定稿集』等を編集刊行するなど龍之介の原稿や資料の整理に尽力した。

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