ヘルスケアティードリンクや薬膳菓子、中医薬パンなど、飲食業界と中国伝統の中医薬の融合が進み、多くの老舗の中医薬店や中医学病院が、中医薬ティードリンクや食品を打ち出している。例えば、北京白塔寺薬店は、旬の果物であるビワとナシのジュースをコーヒーと組み合わせ、「枇梨杷啦カフェラテ」を打ち出した。また、天津中医薬大学第一附属病院は、キバナオウギパンといった、ヘルシーな中医薬パンを打ち出している。
中国国家中国式調理高級技師で、薬膳師である胡賀峰氏は、「以前は、薬膳の消費グループは中年・高齢者がメインと考えられていた。しかし、調査研究では、消費グループが若年化している傾向にあること分かっており、95後(1995-99年生まれ)から、00後(2000年以降生まれ)の若者の消費が目に見えて増えている」としている。
ヘルスケアティードリンク。(資料写真、撮影・趙雯博)
中医薬ティードリンクが若者の間で人気に
スマホで浙江省中医院のオンライン病院のミニプログラムを開くと、空気が乾燥しやすい秋に適した肺を潤すドリンクや、肝臓の機能を高めるドリンクなど、中医薬ドリンクがたくさん並んでいた。消費者が好きな商品を選んで、アンケートに答え、システムが購入者の体質に適しているかを確認するのを待って、購入の手続きを終えると、商品が自宅まで届けられる。
浙江省杭州市のIT企業に勤めている丁婷さん(26)が、コップにお湯と、チョウセンニンジンやコムギの粉で作った「参麦飲」を入れて、しばらく待つと、さわやかな香りがほのかに漂ってきた。「最初は物珍しさから買い始めた。ネットで買えるのでとても便利」と話す丁さんは、「参麦飲」を10袋購入したという。1袋当たり4元(1元は約21.3円)で、「口当たりがとてもいいし、商業施設で売っているネット上で人気の中医薬ドリンクと比べると、専門の病院の商品なのでもっと安心」と話す。
中国伝統の「医食同源」関連の管理基準の整備進む
中国には、伝統ある「医食同源」という考え方の文化がある。中国中医科学院西苑病院・治未病センターの張晋主任は、「食べ物には元々、『療』と『養』という2つの機能がある。『中医薬+飲食』という新しい分野は、伝統の医食同源という考え方の文化の伝承であり、発展でもある。普段の生活において、鶏肉や豚肉を煮込むときに、ニッケイやビャクズクを入れるといった具合に、中医薬と食材を組み合わせるというのはよくあることだ」と説明する。
中国には食品の中に混ぜることができる中医薬材に関する明確な規定がある。「中華人民共和国食品安全法」は、生産販売されている食品には、薬品を混ぜてはいけないと規定しているものの、伝統に基づいて、食品であり、中医薬材でもある物質は混ぜても良いことになっている。
中国国家衛生健康委員会が2021年に発表した「伝統に基づいて食品であり、中医薬材でもある物質リスト管理規定」は、「医食同源」の対象となる物質の動的調整と管理基準を明確にし、食品の安全と、国民の健康を守ることを主旨とし、合法で、科学的、オープンという原則に沿って、食薬物質リストを制定し、適時更新している。2023年11月の時点で、食薬物質リストに組み込まれている中医薬材は102種類に達している。
北京中医薬大学人文学院法律講座の鄧勇教授は、「中医学という角度から考えると、中医薬と飲食を組み合わせた革新的な商品には、ある程度ヘルスケアの効果が見込める。しかし、あまり期待しすぎてはならない。中医薬の効果は、薬材の質と量、薬物の比率、加工処理の方法といった要素と密接な関係がある。中医薬と飲食を組み合わせた革新的な商品に含まれている中医薬材の量は比較的少ないほか、作り方も伝統の中医薬とは異なるため、その効果も弱い。さらに、人によって体質が異なるため、中医薬に対する反応も異なる。そのためこうした商品を食べたり、飲んだりすることによる病気の治療効果を期待することはできない」と注意を呼び掛けている。
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