【アジアンドリーム】大連岩谷気体機具有限公司 董事長 総経理 柏木 健宏氏

创业   职场   2024-11-01 10:01   辽宁  
コンシェルジュ大連11月号よりビジネス記事「アジアンドリーム」をご紹介。

1930年創業の岩谷産業。大連岩谷は1989年に大連へ進出してから35年となる。現在、董事長・総経理を務める柏木氏は2018年より駐在し、2度目の中国赴任。岩谷グループの歴史と未来、大連岩谷の現状などについてお話を伺った。

大連は気候が良く、山、海もあり、とても住みやすい街であると感じています。また、新鮮な海鮮や野菜などの食材が安く手に入りますので、週末には市場に行き、新鮮な魚介類や野菜を調達し、家族に手料理を作っています。妻と子供4人と共に暮らしています。これからも大連生活を楽しめることを期待しています。

世の中に必要な人間となれ

世の中に必要なものこそ栄える

“脱炭素”の未来を拓く


「世の中に必要とされる企業」たること

 岩谷産業株式会社(以下、岩谷産業)は1930年の創業時より、当社は「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこそ栄える」という企業理念のもと、暮らしや産業にエネルギー、産業ガス、マテリアルなど幅広い商品やサービスをお届けしています。その根底には、これからの世の中が必要とする新しい価値を創造することで、「世の中に必要とされる企業」であり続けるために、新たな価値の創出に努め社会に貢献していくという思いがあり、それが事業推進の大きな原動力になっています。現在、LPガス、カセットこんろを中心とした総合エネルギー事業と、水素などの創業以来の産業ガス事業を基幹として、それらから派生した機械、マテリアルなど幅広い分野で事業展開を図っています。
 創業者の岩谷直治が最初に中国に進出したのは、古く1941年で上海に会社を設立しカーバイドや酸素などの製造・販売事業に乗り出しました。岩谷産業としては1981年に北京駐在事務所を開設し、国交正常化後に日系企業の進出が加速し始めたタイミングの1989年に、大連岩谷気体機具有限公司(以下、大連岩谷)を設立しました。当時大連は造船関係など重厚長大産業が発展し始めた時期で、大連市政府の積極的な日本企業誘致もありました。そこで、プロピレンを主体とした岩谷産業のオリジナルブランド「シャープガス」という鉄を溶断するガスと溶断機器を、大連市及び周辺地域に集積する鉄鋼、造船、橋梁、車輛等の企業群へ普及させるべく会社を設立しました。設立当初はこの溶断ガスと溶断機器を製造販売する会社でした。

大連市に不可欠企業となる 

 大連岩谷は「住みよい地球」を願い、価値ある未来を創造する、『産業ガスと総合エネルギー企業』です。各種産業、製造企業等で必要不可欠な酸素、窒素、アルゴンや水素、ヘリウム、プロパンガスなどの各種産業ガスの製造・物流・販売と、ガス貯蔵タンクやガス供給配管工事などのエンジニアリングサービスと施工とアフターサービス、各種ガス設備機器及び部品等の販売を行っています。設立当時は岩谷産業と中国国営企業の大連徳泰控股有限公司との合弁会社で、岩谷産業で初の中国における合弁事業会社でした。2018年に岩谷産業グループの独資企業となりました。今年で35年になります。日本で築き上げてきた産業ガスの品質へのこだわりや高い技術力を活かして中国・東北三省へ純度の高い各種産業ガス及び関連設備を安定供給し、皆様の暮らしと産業を支えています。
 大連岩谷の主力商品は産業ガスです。主に空気分離で生産する酸素・窒素・アルゴン。そして大連市で唯一生産している水素、さらにヘリウム、炭酸ガス、プロパンガスや各種混合ガス、特殊ガス等を扱っています。1994年に空気分離装置を稼働させ酸素、窒素、アルゴンの生産供給を開始し、1995年には水素の生産供給を開始しました。岩谷産業90年以上の歴史で培われてきた高品質・安定供給・アフターサービス・安全が強みです。日本品質で製造された高品質の空気分離ガスの酸素、窒素、アルゴンを大連市一円の各種企業、工場に安定供給力させて頂いております。医療用酸素については2006年に遼寧省で最初に医薬GMPと薬品生産許可証を取得し大連市一円の病院に安心品質の医療用酸素を供給しています。
 当社は大連市で唯一医療用液化酸素の製造及びシリンダー充填を一貫して行っており、医療機関へ供給しています。大連市内の病院では、殆ど当社の医療用酸素が使われています。ですから弊社の製造がストップすれば、医療機関への酸素供給が止まってしまいます。新型コロナの時、隔離になる社員や、ガスを運搬する専用タンクローリーの運転手が不足するなどの状況が発生しました。ガスの供給においては物流が非常に大きな要素ですが、この物流が混乱するなどもありました。しかし、大連市の支援も頂き、あらゆる対策を講じ、生産・供給を継続いたしました。特に2022年末のゼロコロナ政策終了時には、急増する感染者への医療用酸素供給を確保するため、通常出荷の5倍もの供給量を、社員が連日徹夜にて対応し病院への供給を止めることなくやり遂げました。非常に苦しい経験でしたが、乗り越えたことでさらに顧客や大連市との信頼が高まりました。
 当社は大気に放出していた窒素ガスを回収して液化する装置に新たに投資し、2023年9月より稼働しました。酸素、窒素ガスの製造には大量の電気を使用しますが、これによりエネルギー効率を改善し、大連市の生産企業の大切なユーティリティーである液化窒素の安定供給をより充実出来るようになりました。窒素ガスは半導体や各種電子機器、ガラスなどの製造時や、金属製品の熱処理時などの酸化防止用、石油化学コンビナートなどのプラントの定期修理時の防爆用などの他、マイナス196℃の冷熱を利用した、マグロやナマコ等の海鮮の冷凍や、鶏肉のから揚げなど冷凍食品の瞬間冷凍用など、あらゆる産業で使用されており需要が拡大しています。今後もさらに大連市企業の皆様に信頼と安心を供給して参ります。

脱炭素社会に向けた取り組み

 エネルギーが変わってこそ、本当の「未来」だと思います。限りあるエネルギーから、クリーンで枯渇しない「水素エネルギー」へ。岩谷は、総合エネルギー、産業ガス・機械、マテリアルの3つの事業がその強みを生かして一体となり、「脱炭素社会の実現」に取り組んでいます。中国全土はもちろん、大連市も水素エネルギーに力を入れています。近い将来、水素エネルギーとして使用されるであろう水素の量はより大きくなります。今後は、石油化学コンビナートなどから排出される副生水素を回収して精製した水素や、風力や太陽光発電など再生可能エネルギー電力を使い、水の電気分解で作る「グリーン水素」の製造供給体制を検討していきたいと考えています。また、日本で数多く実績のある水素ステーション設備の建設にも関わり、大連での水素事業を拡大していきたいと考えています。

プロフィール


かしわぎ たけひろ

1966年生まれ。兵庫県神戸市出身。立命館大学理工学部卒業。1989年岩谷産業(株)入社。神戸支店、大阪本社、東京支店西東京営業所、2012年から4年間上海石化岩谷気体開発有限公司に出向として駐在し、広島支店を経て、2018年から大連岩谷気体機具有限公司に赴任し、営業責任者を担当後、董事長・総経理に就任。

柏木さんをさらに知る

中国内旅行

上海勤務の時に中国の有名な観光地に旅行に行きました。北京、西安、成都、九寨溝、黄山等。大連に来てからはあまり行けてませんでしたが、子供も大きくなってきましたので、ハルピンの氷祭り等、また、中国内旅行に行きたいですね。

ゴルフ

会社に入ってからすぐにゴルフを始めたので、当社と同じく35年になりますが、一向にうまくならず、始めたころと殆どスコアは変わりません。最近忙しくてラウンド回数が減っていますが今後もゴルフは続けていきたいですね。

社員旅行

先月、社員旅行で本渓市に行ってきました。近場ではありますが、本渓水洞という鍾乳洞や関門山等の観光に行きました。水洞は鍾乳洞内をボートに乗って見るんですが、規模が大きく、見ごたえがあり、なかなか良かったです。

2023年に、窒素ガス回収液化機を建設し、大連及び遼寧省への液化窒素供給を増強しました。2023年9月より稼働が始まりました。写真は正式稼働式典の際の記念写真です。メンバー達がとても頑張りました。



大連岩谷気体機具有限公司
大連市開発区淮河西路5号
(0411)8761-1560


Concierge大连
中国在住の日本人に、中国でより快適に過ごすための情報を発信する日本語フリーマガジンです。95年に大連で創刊後、北京、香港、上海で展開。地域に密着した情報を提供しています。 当コンテンツでは、大連生活に役立つお得な情報を日々お届けします!
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