【アジアンドリーム】欧姆龍(大連)有限公司 副総経理 兼 開発センター長 西岡 孝哲氏

创业   职场   2024-10-11 15:54   辽宁  
コンシェルジュ大連10月号よりビジネス記事「アジアンドリーム」をご紹介。

1993年に大連へ進出し、家庭用・医療用健康機器(血圧計、ネブライザ、体温計等)を開発&生産するオムロン(大連)有限公司の西岡副総経理に、オムロングループの中国でのヘルスケア事業、大連工場の状況と未来についてお話を伺った。

大連市はオムロングループとして初めて海外に工場を設立した場所で、昨年2023年に工場設立30周年を迎え、長年に亘り、世界中に健康医療機器を届けてきました。これからも世界中の人々の健康に貢献できる商品、サービスを提供できるように、全社員で楽しく力を合わせていきたいと思います。

われわれの働きで
われわれの生活を向上し
よりよい社会をつくりましょう

人々の健康のためのヘルスケア事業

 オムロン株式会社は1933年の創業以来、「よりよい社会をつくる」という企業理念の下、91年にわたって企業としての社会的責任を果たしてきました。工場の自動化を中心とした制御機器、電子部品、駅の自動改札機や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの社会システム、ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開し、世界130ヶ国以上で商品・サービスを提供しています。
 オムロンといえば血圧計のイメージが強いですが、血圧計は、当社ヘルスケア部門のメイン商品としてスタートした健康医療機器です。2003年にヘルスケア部門をオムロンヘルスケア株式会社として分社し、チャレンジを重ねてきた道のりを振り返ります。事業内容は家庭用・医療用健康機器の開発・販売、健康管理ソフトウェアの開発・販売、健康増進サービス事業などを展開しています。2024年3月末現在、従業員数は3,756名となりました。当事業部門では血圧計のほか、体温計、低周波治療器、体重体組成計・体重計、活動量計・歩数計、電動歯ブラシ、ネブライザ、パルスオキシメータ、心電計、吸入器、AED、補聴器、マッサージ機器などを開発・生産・販売しています。オムロン ヘルスケアは世界中に健康を届ける企業として、従業員と共に心身の健康保持・増進や元気でいきいきと働くことができる環境づくりを実行し、健康経営を推進しています。同社は、グローバルで事業を展開しておりますが、売り上げ規模は、日本、米州、欧州よりも多く全体の30%を超えており、非常に重要な位置づけになっております。


大連は初となる海外現地法人の生産拠点


 大連は、オムロンの創業者も視察に訪れ、1993年にオムロングループ初となる海外現地法人の生産拠点として誕生し、その後のオムロングループの中国進出の大きな礎となりました。オムロン大連は、オムロンヘルスケア株式会社の中国事業の生産・開発拠点となっております。従業員数は、1,400名を超えました。現在、29箇所の営業、販売拠点を展開し、医療現場での医療機器、家庭での医療、健康機器のデバイス・サービスの販売を中国全土で行っております。 はじめは日本の松阪工場から、生産方式や品質管理のノウハウを移管し、次に生産技術だけでなく、企業理念やものづくりに対する姿勢・考え方までを浸透させてきました。高品質な製品を「どんな時でも、いつでも・どこでも・どこへでも供給」できる生産体制構築の一歩を踏み出し、事業のさらなるグローバル化とともに、生産拠点はベトナム、ブラジル、イタリアへと拡大しております。現在は、急速に成長し続ける中国市場向けに、現地の開発・生産・販売が連携してニーズに合った商品開発に取り組んでいます。クローバルで開発・生産された血圧計、体温計、ネブライザは、世界で高いシェアを誇っています。グループでの世界最大の生産拠点として、1日に約4万5千台の電子血圧計と6万台の電子体温計、3万台のその他健康医療製品を生産しています。2020年に発生したコロナにより、生産を継続することが困難な状況に陥りました。ご存じの通り、コロナに罹患すると多くの場合、発熱するため、発熱しているかどうかを測定するための体温計が各家庭に1つと言わず、1人に1つ必要な状態になりました。コロナは中国だけでなく全世界に広がったため、体温計の需要は爆発的に急増しました。
 オムロンヘルスケアの中で体温計を生産しているのは、ここ大連工場しかなく、体温計を必要としている方に届けることは、わたしたちのミッションである「世界中の一人ひとりの健康で健やかな生活へ貢献」を掲げる我社の社会的責任でした。求められる台数はこれまでの3倍という数でしたが、コロナ禍では仕入先メーカー様から体温計の部品が供給されない、自社社員の頻繁な隔離、生産能力を増強するための設備部品調達遅延など様々なことが発生し、3倍どころかこれまでの生産量を継続することも困難な状況でした。しかしながら、大連工場の社員みんなが諦めず、その結果、生産台数3倍を実現することができました。


「健康中国2030」と一致した目標
 

 
 中国では、「健康中国2030」が掲げられ、国民の健康と福祉の改善を行うため、インターネットを利用したスマート診療や家庭健康管理のデジタル化が急務となっています。これらは、私たちが2030年に向けたビジョンとして掲げる「Going for ZERO ー予防医療で世界を健康にー」の考えと合致しています。中国では、「循環器事業」「呼吸器事業」「ペインマネジメント事業」の3つの領域にフォーカスし、私たちの強みであるデバイスやサービスの開発力と医療分野での知見を活用しながら、新しい予防医療を創出しております。すなわち、「脳・心血管疾患の発症ゼロを目指して」、「呼吸器疾患増加ゼロを目指して」、「慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指して」となります。
 今後は、「家庭血圧」だけでなく、「家庭心電」の普及に取り組んでいきます。また、家庭で測定したバイタルデータを医師と患者が共有し、疾病の早期発見・治療に活用できるサービスも展開し始めております。高齢化や生活水準の向上を背景とした慢性疾患患者の増加による医療費の増加、グローバルで拡大する医療格差、コロナ禍による健康意識の高まりやデジタル化の加速など、心不全や脳卒中などの慢性疾患イベントの発症を未然に防ぐ予防医療の仕組みを創出します。これからも新たな医療機器とサービスによりソーシャルニーズを創造し、ゼロイベントの実現を目指し、終わりなき挑戦と創造を続けていきます。

 その目標に向けて、我々の開発センターは新商品の開発に日々奮闘しています。私は、2005年にオムロンに入社してから、最初の1年間はネブライザの開発、2023年まで血圧計の技術、商品開発に携わってきました。そして、今年の4月から大連駐在を始めました。24年前に初めて大連を訪れた時と比べると、中国市場はモノづくりやインターネット事業など、世界をリードするほど著しく発展していますと気付き、我々の技術、開発スピードも世界をリードできるように努力していくと考えております。

プロフィール

にしおか たかのり

1974年生まれ。大阪府吹田市出身。大阪府立大学工学部卒業。2005年にオムロンヘルスケア株式会社に入社。2005年から2023年までネブライザ、血圧計、体温計、心電計の設計開発、マネジメントを経験。2024年4月、大連市開発区にて、欧姆龍(大連)有限公司の副総経理兼開発センター長に就任。

西岡さんをさらに知る

野球

週末は、暴球隊という野球チームに入部させて頂き、試合を楽しんでいます。怪我をしないように日頃から部屋でストレッチを行うように心掛けていますが、何かと理由をつけてあまり出来ていません。

金石灘地質公園

金石灘地質公園に会社のメンバーと遊びに行きました。長い年月を掛けてできた複雑な地層がとても不思議で綺麗でした。今後、広大な中国の色々なところに行きたいと思います。

開発センター

2002年に研究開発部門として分社化し、2005年12月に独立法人となり、2017年に再び一体化したヘルスケア事業における商品開発を担う開発センターです。私の主な作業場です。150名以上のメンバー達が日々一緒に新製品の開発・設計を行います。


開発区から車で約3時間の荘河まで、1泊2日で従業員労働組合のイベントに参加しました。本格的なサバイバルゲームに始まり、夜は野外でのおいしい食事、カラオケ大会、そして盛大な花火大会など盛りだくさんで楽しい休日を過ごすことができました。


欧姆龍(大連)有限公司
大連市開発区松江路3号
0411-8761-4222

Concierge大连
中国在住の日本人に、中国でより快適に過ごすための情報を発信する日本語フリーマガジンです。95年に大連で創刊後、北京、香港、上海で展開。地域に密着した情報を提供しています。 当コンテンツでは、大連生活に役立つお得な情報を日々お届けします!
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