北九州市と大連市は長い友好の歴史があり、大連市政府の皆さんとはお互いに「親戚」と呼び合い、何でも相談できる関係性を築いています。関係を築き上げてきた、両市の先輩方への感謝の気持ちを忘れず、両市の更なる発展のために努力していきたいと思います。
友好都市締結45周年
北九州市と大連市の絆を
更に強固なものに
私は生まれも育ちも北九州で、地元の大学を卒業後に、北九州市役所に入庁しましたので、人生のほぼ全てを北九州で過ごしてきたことになります。入庁後は、商店街や中小企業の振興、子育て施設の運営、地元企業の海外ビジネス支援、市議会議長秘書など様々な業務を行ってきました。2009年には、北京の一般財団法人自治体国際化協会事務所へ2年間派遣される機会も得ました。
そして、2022年のコロナ期間中に、ホテル隔離を経て、妻と子どもと一緒に大連にやってきました。今回2度目の中国赴任となりますが、大連は気候が良く、食事も美味しく、とても住みやすい街だと感じています。妻と今年7歳となる息子もすっかり大連の生活に馴染んでいます。息子は大連の私立幼稚園、私立小学校に入学し、中国人の先生、中国人のお友達に囲まれ、今では中国語でコミュニケーションをとることができるようになっており、息子の頑張りには感心させられています。
北九州市の紹介
北九州市は九州の最北端に位置し、大連市から飛行機で約2時間の距離にある、人口約92万人の国際都市です。アジア諸国に近く、アジアの玄関口として、また日本の産業拠点として発展してきました。1910年当時、国内鋼材生産量の90%以上を占め、世界遺産にも登録された官営八幡製鐵所の操業以来、ものづくりのまちとして日本の近代化を支えた歴史を持つ北九州市には、産業ロボットの(株)安川電機や衛生陶器のTOTO(株)など世界的な企業が本社を構えています。一方で、大都市でありながら長く美しい海岸線や緑豊かな山々など豊かな自然に囲まれ、「遊ぶ」、「観る」、「食べる」がぎっしり詰まった都市でもあります。豊かな観光資源にも恵まれ、「日本新三大夜景都市」で全国1位に輝いた夜景や、伝統文化を満喫できる小倉城、ノスタルジックな門司港レトロ地区、約170のショップ数を誇るジ・アウトレット北九州などがあります。3方を海に囲まれ、豊富な海の幸に恵まれた北九州市は有名な寿司屋も多く、焼カレーや焼うどんなどのご当地グルメも人気です。是非北九州市へ観光にいらしてください。
今年は大連市との友好都市締結45周年
1979年北九州市と大連市が友好都市を締結して以降、経済や文化、スポーツなど幅広い分野において盛んな交流を行ってきました。そうしたなか、私たちの北九州市大連事務所は1991年に設立され、友好都市である大連市との交流事業や北九州市の観光プロモーション、地元企業と一緒に各種展示会や博覧会へ出展するなどしてビジネス支援を行っています。今年は北九州市と大連市との友好都市締結45周年を迎え、私たちにとって特別な1年となっています。今年の2月には、大連市の陳市長に北九州市を訪問頂き、日本最大級のエコタウン事業として、多数のリサイクル企業が集積する「北九州エコタウン」や、北九州市との友好の証である「大連友好記念館」などを視察されました。今年の6月には、北九州市の武内市長がダボス会議に出席するために大連を訪れ、大連市の熊書記との会見や、友好都市締結5周年を記念し建設された「北大橋」(北は北九州市、大は大連市を表している)の視察などを行いました。また、両市長が訪問した際、それぞれの市で「友好都市締結45周年記念レセプション」を開催し、これまで築き上げてきた友好関係を改めて実感したところです。両市にとって大変意義のあることだったと感じています。レセプションの挨拶のなかで、武内市長からは「北九州市と大連市は、まさに管鮑の交わりである。今後も両市の絆をこれまで以上に強めていきたい」との発言がありました。弊事務所も微力を尽くし、大連市との絆を更に強固なものにしていきます。
今後の課題に注力
これから事務所として力を入れていきたいことは3つです。
1つ目は、大連ー北九州間の直行便の復活です。コロナ禍で運休になっていた大連ー北九州直行便は、今年の1月に1度、チャーター便の形で復活し、初便からほぼ満席状態が続く状況という順調なスタートを切りました。ただ残念なことに、能登半島地震の影響もあり、再度運休になってしまいました。再度の復活を目指して頑張っていきたいと思います。復活に際しては、大連市政府、航空会社、大連空港、旅行社など様々な関係者の協力が必要ですが、一番大事なことは北九州に行きたい、大連に行きたいと思う方を多く生み出すことだと考えています。以前、大連のイベントで北九州のことを紹介した方で、実際に北九州に来てくれた方たちもいます。本当に嬉しかったです。今後も、テレビなどのメディアと連携して、あるいはイベントの機会を捉えて、プロモーションに力をいれていきたいと思います。
2つ目は、良好な両都市間の関係を基盤とした民間企業のビジネス交流です。現在、素晴らしい土壌改良技術を有する本市企業と大連市の国有企業が連携協定を結び、大連市での土壌改良ビジネスを展開しようとしています。両市の協力のもと、このプロジェクトを成功させ、民間ビジネス交流の促進につながる一歩にしたいと思います。大連にはまだまだ多くのビジネスチャンスがあり、日本の技術が勝っている分野も少なくないと考えています。そうした部分をうまく結びつけていければと思います。
3つ目は、対日投資の促進です。日本では、熊本県での半導体メーカーの誘致が大きな話題になり、地元経済にもたらす恩恵も非常に大きいことが知られていますが、北九州市においても長年にわたり注力している分野です。弊事務所としても、中国に立地している優位性を活かして、大連からだけでなく、中国全土からの投資の呼び込みを成功させ、地元経済の発展に貢献したいと考えています。ビジネス客として北九州市を訪れる方が増えれば、大連ー北九州間の往来が活発化することにも期待をしています。
プロフィール
1972年生まれ、福岡県北九州市出身。北九州大学商学部卒業。1996年に北九州市入庁。中小企業振興課などの一般事務部門に配属。2008年一般財団法人自治体国際化協会東京へ派遣、2009年同協会北京事務所へ派遣され、2年間滞在。その後、環境国際戦略課や北九州市議会議長秘書などを経て、2022年から北九州市大連事務所所長に就任。
<瀧口さんをさらに知る>
サッカー
サッカーは大学からはじめましたが、市役所でもサッカー部に入部し、毎週練習・試合を行っていました。大連ではサッカークラブ・行雲FCに加入し、地元の方や日本人駐在員の方々と楽しくボールを蹴っています。
愛読書
ジェフリー・アーチャーの小説全てが大好きです。大学時に同著者の「ケインとアベル」を読んで以来のファンで、大連に来てからも電子版で新作を購入して愛読しています。
休日の過ごし方
休日は家族で過ごしています。市場に買い物に行ったり、カフェでコーヒーを飲んだりして、大連生活を楽しんでいます。また、瀋陽や北京などへ観光にも行きましたが、家族と一緒に中国を体感できることをとても幸せに感じています。
ダボス会議2024と友好都市締結45周年記念レセプションに出席するために大連を訪れた武内北九州市長。大連到着後、大連市政府から熱烈な歓迎を受けた。この後、北大橋や大連美術館など北九州市と大連市ゆかりの場所を巡った。
北九州市大連事務所
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