Q
「解決すべき・・・課題」「解決するべき・・・・課題」、どちらがよいでしょうか。
Q
「解決すべき・・・課題」「解決するべき・・・・課題」,哪个更合适呢?
A
現代語としては、どちらでもかまいません。「すべき」のほうが、より伝統的な形です。ただし話しことばの場合には、たとえば「解決しなければならない課題」といった言い方に替えることはできないか、一度考えるようにしてみてもいいかもしれません。
A
按现代语言来说,哪个都没有问题。「すべき」是更传统的形式。但是在口语的情况下,可以试着考虑一下是否可以替换成「解決しなければならない課題」(不得不解决的课题)这样的说法。
解説
解释
この「べき」は、「べし」ということばを活用させたものです。これは、文語(昔の書きことば)で使われる助動詞です。ある動詞のあとに「べし」を連ねる場合、【動詞終止形+「べし」】という形になります。
「べき」是「べし」的活用形。(べし)是在文言文(以前的书面语)中使用的助动词。在某个动词后面接「べし」的时候,就会变成“动词终止形+「べし」”的形式。
たとえば次のようなものです。この「打つ」「向かう」は、「終止形」です。
例如下面的这些句子。这个「打つ」和「向かう」就是“终止形”。
「やや内角をねらい、えぐりこむようにして、打つべし! 打つべし!」
「やや内角をねらい、えぐりこむようにして、打つべし! 打つべし!」(“稍微瞄准内角,用剜进去的方式,打!打!”)
(漫画『あしたのジョー』での矢吹丈のセリフ)
(漫画《明日之丈》中矢吹丈的台词)
「自分とは何で どこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」
「自分とは何で どこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」(“如果不知身在何处,也不知前行的目的地在何方,那么只要不停地询问就能找到答案。”)
(「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」作詞・歌 アンジェラ・アキ)
(《信~敬启 给十五岁的你~》作词・歌Angela Aki)
いろいろな動詞の中には、文語と現代口語(今の話しことば)とで終止形が大きく異なるものもあるのですが、「打つ」「向かう」についてはこの問題はありません。
在各种各样的动词中,文言文和现代口语(现在的口语)的结尾形式有很大的不同,但是「打つ」和「向かう」没有这种问题。
さて、ここでご質問の「解決すべき~解決するべき」の「す~する」に着目してみましょう。「す」は文語での終止形、「する」は現代口語での終止形です。終止形が、時がたつのにつれて、「す」から「する」に様変わりしたものなのです。
那么,让我们着眼于提问中的「解決すべき~解決するべき」的「す~する」吧。「す」是文言文中的终止形,「する」是现代口语中的终止形。随着时间的推移,终止形由「す」变成了「する」。
つまり、こういうことになります。
也就是说,是这样的形式——
①【文語での終止形「す」+「べし」】ととらえた場合⇒「解決すべき・・・課題」
②【現代口語での終止形「する」+「べし」】ととらえた場合⇒「解決するべき・・・・課題」
「べし」はもともと文語の助動詞ですから、上に付く動詞のほうもそれに合わせる形で文語「す」を採用して①のようにするのは、まったく筋が通っています。一方、この言い回しは現代口語でも使うのだから、動詞の部分については現代口語「する」にして②のようにするというのも、なるほど一理あります。
「べし」原本是文言文的助动词,所以上面接的动词也要相应的采用文言文的「す」,像①那样是完全合理的。另一方面,这个说法在现代口语中也有使用,所以关于动词的部分,现代口语的「する」像②那样表示,也有一定的道理。
全国調査をしてみたところ、「すべき」〔=①〕を支持する人のほうが、「するべき」〔=②〕を支持する人よりも多いことがわかりました。
全国调查发现,支持「すべき」(=①)的人比支持「するべき」(=②)的人多。
またこの調査では、(a)「[解決すべき/解決するべき]課題が多い。」と、(b)「早く[解決すべき/解決するべき]だ。」という2つの形式について尋ねたのですが、回答が「すべき」に集中する割合は、(a)のほうがやや高くなっています。
另外,在这个调查中,(a)「[解決すべき/解決するべき]課題が多い。」和(b)「早く[解決すべき/解決するべき]だ。」关于这两种形式,回答集中在「すべき」上的比例,(a)稍微高一些。
(a)での[解決すべき/解決するべき]は、そのあとの名詞「課題」を修飾する形になっています。もしかすると、このように名詞を修飾する場合には、この部分のことばの長さをできるだけ短くコンパクトにしたいという意識(「するべき」よりも「すべき」のほうが短い)が、やや強く働いているのかもしれません。
(a)中的[解決すべき/解決するべき]是修饰之后的名词「課題」的形式。或许,像这样修饰名词的情况下,想要尽量缩短这一部分的语言长度、使其紧凑起来的意识(比起「するべき」,「すべき」更短),或许能发挥稍许强力的作用。