11.02 早读 | 世界にひとつだけの本+第13話[屋久島から(前)] ——Emmy老师

教育   2024-11-02 17:29   山东  

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新闻晨读

周六

茉莉

日语看中国

周日

Emmy

世界にひとつだけの本

因早早读时间特殊,偶尔存在换课情况,课表仅供参考



あわただしく過ぎていく時の波にふと足元をすくわれそうになったとき、必ず、ひもとく本があります。

その本には、ある女性の人生が描かれています。

その女性の名前は、月原加奈子 38歳 旅行会社勤務。

彼女の人生は、何処にでもある、ごく普通の人生。

でも、本の中の彼女に出会うと、心の湖に波紋が幾重にも広がるように、ゆっくりと、優しい言葉が満ちていきます。

今日は、どんな彼女に会えるでしょうか?




第13話 屋久島から(前)

 世界にひとつだけの本 

私の横で執拗にアキレス腱を伸ばしている健一君。

大きなリュックを背負い、上半身は黄色い雨合羽。ちなみに雨は降っていない。

下は、微妙な長さの青いカーゴパンツに、白いハイソックス。下半身だけ見ると、とび職の人にも見える。上は冬、下は夏。そんな感じだ。屋久島を体現しているのかもしれない。

「加奈子さん、そんなカッコで大丈夫?」

と健一君に突っ込まれた私は、白いTシャッツに、細身のデニム。安いスニーカー。

ちょっと近所のコンビニまで、そんな雰囲気。

ほんとに、大丈夫かな?

縄文杉を目指して、私たち一行は歩き出した。隊長であるガイドさんは、顔中に髭を蓄えた、ステレオタイプの山男。

とにかく、黙々と歩く。トロッコの道を、一列になって歩く。

深い緑の匂いがする。遠くで鳥の声。私たちを応援するというよりは、自分たちに何の用があるんだという抗議の声に聞こえる。

自分の足元だけを見ている。前を行く健一君の背中を時々、見る。

蒸し暑い。汗が、落ちてくる。タオルハンカチではなく、 本物のタオルを持参すべきだった。






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