日语美文朗读:村上春樹--色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(3)
文摘
文化
2024-10-26 20:19
湖南
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色彩を持たない多崎つくると、
彼の巡礼の年
(3)
それが起こったのは大学の二年生の夏休みだった。そしてその夏を境に多崎つくるの人生は、以前とは成り立ちの異なるものになってしまった。鋭く切り立った尾根が前後の植物相を一変させるみたいに。 彼はいつものように、大学が休みに入るとすぐに荷物をまとめ(たいした荷物はない)、新幹線に乗った。そして名古屋の実家に帰って一息つくと、すぐに四人の家に電話をかけた。しかし誰とも連絡がとれなかった。四人とも外出しているということだった。きっとみんなで揃ってどこかに出かけているのだろう。電話に出たそれぞれの家族に伝言を残し、一人で街に出て散歩し、繁華街の映画館に入ってとくに見たくもない映画を見て時間を潰した。帰宅して家族と一緒の夕食をとってから、もう一度四人の家に電話をかけてみた。まだ誰も帰っていなかった。 翌日の昼前に再び電話をかけてみたが、同じように全員が不在だった。彼はまた伝言を残した。もし帰ってきたら、こちらに電話をもらいたいと。わかった、そのように伝えると、電話に出た家族は言った。しかしその声に響きに含まれた何かが、つくるの心にひっかかった。最初の日は気づかなかったのだが、普段の声とは微妙に印象が違う。人々はなぜか、彼と親しく話をすることを避けているように感じられた。一刻も早く電話を切りたいという気配がそこにはあった。とくにシロの姉の声はいつもよりずいぶん素っ気なく響いた。つくるはその二歳年上のお姉さんと気が合って(妹ほど目立たないけれど、やはり美しい女性だ)、シロに電話をするついでに、機会があればちょっとした冗談を交換するのが常だった。少なくとも親しげな挨拶くらいは交わした。しかし彼女は今回、いやにそそくさと電話を切った。四人の家に電話をかけ終えたあと、つくるは自分がたちの悪い特殊な病原菌の保持者になったような気がした。 何かがあったのかもしれないとつくるは思った。自分がいない間にここで何かが起こって、それで人々は彼に対して距離を置くようになったのだ。なにかしら不適当な、好ましくない出来事が。しかしそれがいったいどんなことなのか、どんなことであり得るのか、いくら考えても思い当たる節はなかった。 胸に間違った何かの塊を呑み込んでしまったような感触が残った。それを吐き出すことも、消化することもできない。その日は家から一歩も出ず、電話がかかってくるのを待った。何かをしようとしても意識が集中できなかった。自分が名古屋に帰ってきたことは四人の家族に繰り返し伝えた。いつもならすぐにでも電話がかかってきて、弾んだ声が聞こえてくるところだ。しかし電話のベルはいつまでも堅く沈黙を守っていた。 夕方になって、もう一度こちらから電話をかけてみようかとつくるは思った。しかし思い直してやめた。みんな本当は家にいたのかもしれない。しかし電話に出たくなかったので、居留守を使ったのかもしれない。家族に「もし多崎つくるから電話があったら、自分はいないと言っておいて」と頼んだのかもしれない。だから電話に出た家族は妙に居心地の悪い声を出していたのだ。 理由は思い浮かばない。この前グループの全員が集まったのは五月の連休だった。つくるが新幹線に乗って東京に戻るとき、四人はわざわざ駅まで見送りに来てくれた。そして列車の窓に向けてみんなで大げさに手を振ってくれた。まるで遠い辺境の地に出征する兵士を見送るみたいに。 そのあとつくるは東京からアオにあてて何通か手紙を書いた。シロがコンピュータを苦手としていることもあり、彼らは日常的に紙の手紙をやりとりした。そしてアオがその代表窓口の役を引き受けていた。彼に手紙を出せば、それはほかのメンバーにも回覧される。そうすれば似たような手紙を四通、個別に書く手間は省ける。彼は主に東京での生活について書いた。自分がそこでどんなものを目にして、どんな体験をして、どんなことを感じているか。何を見るにしても、何をするにしても、みんながそばにいてくれたらどんなに楽しいだろうといつも思っている。それは彼が本当に感じていることだった。それ以外、たいしたことは何も書いていない。 四人の方も何度か連名でつくるに手紙を書いてきたが、そこにもネガティブなことは書かれていなかった。彼らが名古屋でどんなことをしているかが詳しく報告されているだけだ。みんなは生まれ育った街で、学生生活を存分に楽しんでいるようだった。アオが中古のホンダ・アコードを買って(後部席には犬の小便のように見える染みがついている)、それに乗ってみんなで琵琶湖まで遊びに行った。五人が楽に乗れる車だ(誰かが過剰に太りすぎない限り)。つくるがいないのが残念だ。夏にまた再会できるのを楽しみにしている、と最後にあった。つくるの目には、本心からそう書かれているように見えた。 その夜はうまく眠れなかった。気が高ぶり、いろんな多くの思いが頭を去来した。しかし結局のところそれらは、いろんな形状をとったひとつの思いに過ぎなかった。方向感覚を失った人のように、つくるは同じ場所をただぐるぐると巡回していた。ふと気がつくと前と同じ場所に戻っていた。やがてそのうちに彼の思考は、頭の溝がつぶれたネジのように、前にも後ろにも勧めなくなった。 午前四時まで彼はベッドの中で起きていた。それから少しだけ眠り、六時過ぎにまた目を覚ました。食事をとる気にはなれなかった。オレンジジュースをグラスに一杯飲んだが、それでも軽い吐き気がした。家族はつくるが急に食欲を失ったことについて心配したが、何でもないと彼は答えた。ただちょっと胃が疲れているだけなんだと。 その日もつくるはずっと家にいた。電話の前で横になって本を読んでいた。あるいは本を読もうと努力していた。昼過ぎに四人の家にもう一度電話をかけてみた。気は進まなかったが、こんなわけのわからない気持ちを抱え込んだまま、ただ電話がかかってくるのを待ち続けるわけにはいかない。 結果は同じだった。電話に出た家族は素っ気なく、あるいは申し訳なさそうに、あるいは過度に中立的な声で、彼らが家にいないことをつくるに告げた。つくるは短く、しかし丁重に礼を言って電話を切った。今回は伝言を残さなかった。おそらく自分がこんな事態が続くことに耐えられないのと同じように、彼らも毎日居留守を使い続けることに耐えられなくなるはずだ。少なくとも実際に電話に出る家族は音を上げるはずだ。つくるはそう踏んでいた。こちらから電話をかけ続けていれば、そのうちに何かしらの反応があるに違いない。 予想通り、夜の八時過ぎにアオから電話がかかってきた。「悪いけど、もうこれ以上誰のところにも電話をかけてもらいたくないんだ」とアオは言った。前置きらしきものはなかった。「やあ」も「元気か?」も「久しぶりだな」もない。冒頭の「悪いけど」というのが彼の口にした唯一の社交的言辞だった。 つくるは一度息を吸い込み、相手の口にした言葉を頭の中で反復し、素早く考えを巡らせた。 その声に含まれた感情を読み取ろうとした。しかしそれはただ形式的に読み上げられた通告に過ぎなかった。感情の入り込む隙間もない。「電話をかけてほしくないとみんなが言うのなら、もちろんかけない」とつくるは答えた。言葉はほとんど自動的に出てきた。ごく普通の冷静な声で言ったつもりだったが、それは彼の耳には自分の声ではなく、見知らぬ人間の声として響いた。どこか遠い街に住んでいる、まだ一度も会ったことのない(そして今後会うこともないであろう)誰かの声として。「人のいやがることをするつもりはないよ」とつくるは言った。 アオはため息とも同意の呻きともつかない声を出した。「ただ、どうしてそういうことになったのか、できれば理由を知りたい」とつくるは言った。「それはおれの口からは言えないよ」とアオは言った。 電話の向こうでしばし沈黙があった。厚い石壁のような沈黙だ。鼻息が微かに聞こえた。つくるはアオの平べったい肉厚の鼻を思い浮かべながらそのまま待った。「自分で考えればわかるんじゃないか」、アオはやっとそう言った。 つくるは一瞬言葉を失った。この男は何を言っているのだろう?自分で考える?これ以上いったい何を考えればいいんだ?これ以上深く何かを考えたら、おれはもうおれではなくなってしまう。「なあ、いったい何があったんだ?」とつくるは尋ねた。「自分に聞いてみろよ」とアオは言った。哀しみと怒りの震えが僅かにそこに聞き取れた。しかしそれも一瞬のことだった。つくるが言うべきことを思いつく前に電話は切れた。「彼があなたに話したのはそれだけ?」と沙羅が尋ねた。「とても短いミニマルな会話だった。これ以上正確に再現のしようもないよ」とつくるは言った。 二人はバーの小さなテーブルをはさんで話をしていた。「そのあと彼と、あるいはほかの三人の誰かと、そのことについて話す機会はあった?」と沙羅は尋ねた。 つくるは首を振った。「いや、それ以来誰とも何も話していない」 沙羅は目を細めてつくるの顔を見た。物理的に理屈の通らない風景を検証するみたいに。 沙羅は言った。「どうして自分がそのグループから突然放り出されなくてはならなかったのか、その理由を知りたいとは思わなかったの?」「どう言えばいいんだろう、そのときの僕には、何もかもがどうでもよくなってしまったんだ。鼻先でびしゃりとドアが閉められ、もう中に入れてもらえなくなった。その理由も教えてもらえなかった。でももしそれがみんなの求めていることなら、それで仕方ないじゃないかと思った」「よくわからないな」と沙羅は本当によくわからないように言った。「それは誤解がもとで起こったことかもしれないじゃない。だってあなたの方には思い当たる節がまるでなかったんでしょう?そういうのを残念だとは思わなかったの?つまらないすれ違いが原因で、大事な友だちをなくしてしまったのかもしれないことを。努力すれば修正できたかもしれない誤解を修正しなかったことを」 モヒートのグラスが空になっていた。彼女はバーテンダーに合図し、赤ワインのグラスを頼んだ。いくつかの選択肢の中から熟考の末にナパのカベルネ・ソーヴィニオンを選んだ。つくるのハイボールはまだ半分残っていた。氷が溶け、グラスのまわりには水滴がついて、紙のコースターは濡れて膨らんでいた。 つくるは言った。「そんなにきっぱりと人からはねつけられたのは生まれて初めてのことだった。しかもその相手は誰よりも信頼していた、自分の体の一部のように馴れ親しんでいた四人の親友だった。原因を探るとか、誤解を修正するとかいう以前に、僕は大きなショックを受けていた。うまく立ち上がれないくらいに。自分の中で何かが切れてしまったような気がした」 ワインのグラスがテーブルに運ばれ、ナッツの皿が新しいものと取り替えられた。バーテンダーが立ち去ると沙羅が口を開いた。「そういうのを実際に経験したことはないけれど、そのときあなたの感じたきつさは私にもそれなりに想像できる。すぐに立ち直れなかったことももちろんわかる」でもある程度時間が経って、当初のショックがやわらげば、その時点で何かしら手を打つことはできたんじゃないかしら?だってそんな筋の通らない状態のまま、ものごとをうっちゃってはおけないでしょう。それではあなたの気持ちだって収まらないだろうし」 つくるは小さく首を振った。「明くる日の朝、家族には適当な理由をつけ、そのまま新幹線に乗って東京に帰った。何はともあれそれ以上一日も名古屋に留まりたくなかった。それ以外のことは考えられなかった」「もし私があなただったらそこに留まって、納得がいくまで原因を突き止めるけどな」と沙羅は言った。「僕はそこまで強くなかったんだ」とつくるは言った。 つくるはテーブルの上に置いた自分の両手を眺めながら注意深く言葉を選んだ。「その原因を追及して、そこでどんな事実が明るみに出されるのか、それを目にするのがきっと怖かったんだと思う。真相がどのようなものであれ、それが僕の救いになるとは思えなかった。どうしてかはわからないけど、そういう確信のようなものがあったんだ」「どうだろう」とつくるは言った。「でもそのときはあった」「だから東京に戻って一人で部屋にこもり、目をつぶり、耳を塞いでいた」 沙羅は手を伸ばし、テーブルに置かれたつくるの手に重ねた。「かわいそうな多崎つくるくん」と彼女は言った。その柔らかな手のひらの感触が、彼の全身にゆっくり伝わっていった。少しあとで彼女は手を離し、ワイングラスを口に運んだ。「それ以来、名古屋には必要最低限しか帰っていない」とつくるは言った。「用事があって帰郷しても、なるべく家から出ないようにしていたし、用事が終わればすぐに東京に戻った。母と姉たちは心配して、何かあったのかとしつこく尋ねたけど、僕はいっさい説明をしなかった。そんなことはとても口に出せない」「その四人が今どこにいて、何をしているか、そういうことは知っている?」「いや、何も知らないな。誰も教えてくれなかったし、正直言って知りたいとも思わなかったから」 彼女はグラスを回して赤ワインを揺らせ、その波紋をしばらく眺めていた。誰かの運勢でも見るみたいに。それから口を開いた。「それは私にはずいぶん不思議なことに思える。つまりそのときの出来事はあなたの心に大きなショックを与えたし、あなたの人生をある程度書き替えてしまった。そうよね?」 つくるは短く肯いた。「僕はそれが起こる以前とは、いろんな意味あいで、少し違い人間になってしまったと思う」「たとえば、自分が他人にとって取るに足らない、つまらない人間だと感じることが多くなったかもしれない。あるいは僕自身にとっても」 沙羅は彼の目をしばらくじっと見ていた。それから真剣な声で言った。「あなたは取るに足らない人間でもないし、つまらない人間でもないと思う」「ありがとう」とつくるは言った。そして自分のこめかみを指先でそっと押さえた。「でもそれは僕の頭の中の問題なんだ」「まだよくわからないな」と沙羅は言った。「あなたの頭には、あるいは心には、それ代もその両方には、まだそのときの傷が残っている。たぶんかなりはっきりと。なのに自分がなぜそんな目にあわされたのか、この十五年か十六年の間その理由を追及しようともしなかった」「なにも真実を知りたくないというんじゃない。でも今となっては、そんなことは忘れ去ってしまった方がいいような気がするんだ。ずっと昔に起こったことだし、既に深いところに沈めてしまったものだし」 沙羅は薄い唇をいったんまっすぐ結び、それから言った。「それはきっと危険なことよ」「記憶をどこかにうまく隠せたとしても、深いところにしっかり沈めたとしても、それがもたらした歴史を消すことはできない」。沙羅は彼の目をまっすぐ見て言った。「それだけは覚えておいた方がいいわ。歴史は消すことも、作りかえることもできないの。それはあなたという存在を殺すのと同じだから」「どうしてこんな話になってしまったんだろう?」、つくるは半ば自分自身に向けてそう言った。むしろ明るい声で。「この話はこれまで誰にもしたことはなかったし、話すつもりもなかったんだけど」 沙羅は淡く微笑んだ。「誰かにその話をしちゃうことが必要だったからじゃないかしら。自分で思っている以上に」 その夏、名古屋から東京に戻ったつくるを支配したのは、身体の組成が丸ごと入れ替わっていくような不思議な感覚だった。これまで見慣れていたものごとの色が、特殊なフィルターを被せられたみたいに違った色あいに見えてくる。これまで聞いたことのなかった音が聞こえ、これまで聞こえていたはずの音が聞き取れなくなる。体を動かそうとすると、動きがひどくぎこちなくなっていることがわかる。まわりの重力の質が変化しつつあるようだ。 東京に戻ってからの五か月、つくるは死の入口に生きていた。底なしの暗い穴の縁にささやかな居場所をこしらえ、そこで一人きりの生活を送った。寝返りを打ったら、そのまま虚無の深淵に転落してしまいそうなぎりぎりの危うい場所だ。しかし彼は全く恐怖を感じなかった。落ちるというのはなんと容易いことか、そう思っただけだ。 まわりは見渡す限り、荒ぶれた岩だらけの土地だった。一滴の水もなく、一片の草も生えていない。色もなく、光らしい光もない。太陽もなければ、月も星もない。おそらく方向もない。得体の知れない薄暮と底のない闇が、一定の時間をおいて入れ替わるだけだ。意識あるものにとっての究極の辺境だ。しかし同時にそこは豊潤な場所でもあった。薄暮の時刻には、刃物のように尖った嘴を持った鳥たちがやってきて、彼の肉を容赦なくえぐり取っていった。しかし闇が地表を覆い、鳥たちがどこかに去るとその場所は、彼の肉体に生じた空白を、無音のうちに代替物で満たしていった。 新たにもたらされた代替物が何であれ、つくるはその内容を理解することもできなければ、容認も否認もできなかった。それらは影の群れとして彼の身体に留まり、影の卵をたっぷり産みつけていった。やがて闇が去り薄暮が戻ると、鳥たちが再びやってきて、彼の身体の肉を激しくついばんだ。 そんなとき彼は自分でありながら、自分ではなかった。多崎つくるでありながら、多崎つくるではなかった。我慢できないほどの痛みを感じると、彼は自分の肉体を離れた。そして少し離れた無痛の場所から、痛みに耐えている多崎つくるの姿を観察した。意識を強く集中すればそれは不可能なことではなかった。 その感覚は今でもふとした機会に彼の中に蘇る。自分を離れること。自分の痛みを他者のものとして眺めること。 バーを出たあと、つくるはあらためて沙羅を食事に誘った。そのへんで簡単に何か食べないか。ピザでも。まだ食欲はないの、と沙羅は言った。じゃあ、今からうちに来ないかとつくるは誘った。「悪いけど、今日はちょっとそういう気持ちになれないの」、彼女は言いにくそうに、しかしはっきりそう言った。「僕がつまらない話をしちゃったからかな?」とつくるは尋ねた。 彼女は小さくため息をついた。「そういうんじゃない。ただ、私は少し考えたいの。いろんなことを。だから今日はできればこのまま帰りたい」「いいよ」とつくるは言った。「君にまた会えて話ができてよかった。もっと楽しい話題だとよかったんだろうけど」 彼女はしばらく唇を結んでいた。それから決心したように言った。「ねえ、また私を誘ってくれる?もちろんあなたさえよければということだけど」 二人は地下鉄駅の入り口で別れた。彼女はエスカレーターを上って山手線に乗り、彼は階段を降りて日比谷線に乗り、それぞれの住まいに戻った。それぞれの考えに耽りながら。 沙羅がどんなことを考えているのか、もちろんつくるにはわからない。そして自分がそのとき考えていることをつくるは、沙羅に話すわけにはいかなかった。何があろうと自分の外には出せない種類のものごとがある。帰りの電車の中で多崎つくるの頭の中にあったのはそういう種類の考えだった。
中村Radio——喜马拉雅FM
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