日语美文朗读:「自分らしさ」はいらない・松浦弥太郎

文摘   文学   2024-08-24 20:18   湖南  

★ 中村Radio・第182回 ★



点击上面的音频可收听节目;也可打开【喜马拉雅FM】【网易云音乐】【蜻蜓FM】【荔枝FM】【苹果播客】等平台,搜索“中村Radio”在线收听或下载节目。

朗読者:中村紀子

作品:『「自分らしさ」はいらない』松浦弥太郎

BGM:The O'Neill Brothers Group - Hey Diddle Diddle


 

松浦弥太郎

Matsuura Yataro

松浦弥太郎1965年出生于日本东京。现任《生活手帖》(暮しの手帖)总编辑,同时也是书商、作家。著有《最糟也最棒的书店》、《不能不去爱的两件事》、《100个基本》、《自在的旅行》、“生活中的巧思与发现笔记”三部曲(《今天也要用心过生活》《谢谢你》、《崭新的理所当然》)等作品。 

被誉为“全日本最会生活的男人”。从日本到美国,海外漂泊的经历在岁月里逐渐沉淀,成就了这位如今懂得生活之美的儒雅绅士。


『「自分らしさ」はいらない』

松浦弥太郎


はじめに


 「自分らしく生きよう」

 「自分らしさを大切に」

 「自分らしさを失わずにいたい」

 こんな意識をもつ人はたくさんいますし、それは当然のごとく、正しいことだととらえられています。

しかし、はたして、そうでしょうか?

 朝、目が覚めたら自分らしい服を着て、自分らしくちょっとこだわりのコーヒーを飲み、自分らしい会社に行って、自分らしさを発揮しながら働く——。

 まるでかっこいいテレビコマーシャルのようですが、僕はとても不自由な気がします。きゅうくつでたまらない、とすら思います。仮に、ドリップ式でじっくり淹れたコーヒーが自分らしさの一端だとしたら、駅の自販機の缶コーヒーは、「らしくない」のでしょうか?

 人は、そんな単純なものではないはずです。

 ある日はていねいに淹れたコーヒーをおいしく味わい、ある日は甘すぎる缶コーヒーをホームで一気飲みする。どちらであろうと自分らしくいられる人がすばらしいし、自分もそうありたいと願っています。

 「個性を大切にして、自分らしくありたい」という思いは美しい呪縛みたいなもので、必要以上に人を力ませます。

 力むことと、一生懸命になることとは違います。

 肩に力が入った状態で、すてきなことはできません。いい仕事も、おいしい料理も、すこやかな人間関係も、かたちにならないのではないでしょうか。

 何もしないうちから「自分らしくやろう」と思った時点で不自然になり、結局、なにもできなくなってしまいます。

 「どうすれば自分らしいのか?」などという意識を捨てて、夢中でやる。

 自分らしさにこだわる余裕などないくらい、没頭し、楽しむ。

 そのはてにある実りこそ、自分らしさではないだろうかと、僕は考えています。

 つまるところ、自分らしさとは、結果論です。

 自意識を捨てて、精一杯やったとき、他人が「あなたらしい」と言ってくれるもの。それが本当の自分らしさだと思うのです。

 そうであれば、自分が思う「自分らしさ」は邪魔者にすぎません。

「何かを始めたいなら、『自分らしさ』など捨てたほうがいい」


 このルールを発見した時、僕は自由になりました。

 「なんにでもなれる。なんでもできる」

 可能性が無限にひらけてきたようで、心がおどりました。

 こんなことを書いていますが、僕もかつては、自分らしさにこだわり続けていました。

 「このやり方は、僕らしくない」

 「こんな文章を、僕は書かない」

 若い頃はそうした思いにとらわれ、自分で自分を縛りつけていたのです。

 もしも、「自分らしさを捨てる」というルールを発見せずにいたら、僕は何ひとつ始められず、立ち止まったままだったことでしょう。

 自分らしさを捨てようと決めてからも、人にずいぶん、「松浦弥太郎らしさ」について言われました。

 わかりやすい例をあげれば、キャリアについて。

 「エッセイ以外の本を書くなんて、弥太郎らしくないよ」

 「『暮しの手帖』の編集長?松浦さんらしくない」

 「ウェブメディアは松浦弥太郎のイメージと違う」

 僕としてはいずれも、「世の中の役に立つことを精一杯やる」と決めて飛び込み、努力しているだけなので、そうした声が不思議でした。

 書店も雑誌もウェブメディアも、その先にいる人のため。

 「どうしたらみんなに喜んでもらえるか?」という新たなるチャレンジに夢中で、それが自分らしいかどうかなど、僕にとってはどうでもよかったのです。

 不思議なことに、信じて続けていると、いつのまにかまわりの人にとっても、違和感がなくなっていくようでした。それどころか、どのキャリアについても、「松浦さんそのもののお仕事ですね」などとほめていただくまでになったのです。

「自分らしさを捨てれば、自分らしさが更新され、自分らしさが広がる」

 

 僕のルールブックに、新たな法則が加わりました。

 これは、仕事に限った話ではありません。

 身だしなみ、立ち居振る舞い、考え方、生き方、人とのつき合い方。

 いつしか似合わなくなったいつかの「自分らしさ」を捨て、今の自分が良いと信じたものを選ぶ。そうすることで、新しい自分らしさができていきます。

 この本は、自分らしさを捨てて、可能性を広げるためのヒント集です。「自分らしさ」にこだわりすぎる人は、ルールに縛られていることが多いので、具体的には心のつかい方について書いていきます。あなたのくらしと仕事に、ぜひ役立てていただきたいと思います。

 今の世の中は、どんどん変わっていきます。

 自分らしさを捨て、アップデートしていかないと、置いてきぼりになり、途方にくれる、そんなこわさも秘めています。

 逆に言えば、自分らしさを捨てて自由になれば、あらゆる可能性が広がる。

 一生、新たなチャレンジを続けられる。

 僕はそう信じています。




中村Radio——喜马拉雅FM

点击 ⬇ ⬇ ⬇ 快速收听节目




松浦弥太郎《100个基本》
中村老师个人视频号更新中
欢迎关注收听纯正日语朗读
↓ ↓ ↓



 最新文章