(前略)人は睡眠中に、極浅い眠り、浅い眠り、中くらいの眠り、深い眠りの四段落の眠りをします。この眠りをノンレム睡眠と言いますが、ノンレム睡眠の次にもう一つの眠りがきます。これが、レム睡眠です。(中略)七〜八時間の睡眠のうち、ノンレム睡眠とレム睡眠を何回か繰り返しますが、①夢を見るのはレム睡眠のときだけです。 ( ② )のときにはいつでも夢を見ていますが、その夢を覚えているのは、夢を見た後約八分だけだそうです。この間に目が覚めれば覚えているのですが、そのまま眠り続けてしまえば、夢を見たことすら忘れてしまいます。だから、ぐっすり熟睡して浅い眠りから深い眠りへすぐ移行してしまうと、夢はあまり見ません。 また、( ③ )が長くなると夢を見ている時間が長くなります。眠る時間が長ければレム睡眠の長さも延びますが、同じ時間寝ていても、強いストレスを受けているときのほうがレム睡眠が長くなるそうです。それに、ストレスを受けているときにはウツウツとしてよく眠れず、目が覚めやすいということもあります。そういえば、テストの前とか仕事がうまくいかないときとか、ふられたときとか、イヤーなことがあったときによく夢を見たなと、思い当たりませんか。 アメリカで行なわれた実験でも、④夢をあまり見ない人というのは、楽天的で自我があまり強くない人という結果が出ているそうです。何も考ず、バタンキューと眠ってしまうのが、最上の眠りのようです。 (竹内均「頭にやさしい雑学読本⑦ちょっと意外なお茶の間の科学」同文書院) 问题