無用の人|无用的人6
文摘
2024-08-02 21:40
云南
原作:原田ハマ
翻訳:ハニー
朗読者:ハニー
記念すべき 50 回目の誕生日の夜、結局残業のために学芸課のデスクで一人で過ごした。值得纪念的50岁生日的晚上,结果因为加班,我坐在学艺课的桌前,独自一人度过了。半世紀を生きた。が、その実感も感慨も特にはない。これといった大きなトラブルにも会わず、病気にもならず、社会人になってからは安月給ではあるけれど、好きなアートの仕事に携わり、思うように生きてきた。 走过了半个世纪。但是,我既没有什么实感,也没有什么特别的感慨。一直以来,没有遇到过大麻烦,也没生过什么大病,进入社会之后,虽然薪水微薄,但从事着喜欢的艺术相关的工作,也如自己所愿的走到了现在。付き合った人は何人かいたけれど、いつも仕事が恋愛よりも優先で、ついに結婚することはなかった。虽然交往过几个人,但是比起恋爱,总是优先处理工作,因为这样,到最后也没有结婚。76 歳になった母は時々、「孫の一人でもいればもっと楽しかっただろうにね」とぼやく。もちろん私は聞こえないふりをしている。已经76岁的母亲,时不时抱怨着“如果有个孙子的话,生活一定更快乐吧!”当然,我总是装作没听见。18年間、平の学芸員、この先も昇進など望むべくもないわ。好きなアートに関わり続け、自分の企画で展覧会を作り、アーティストと交流し、作品の貸し出し交渉や返却の立ち会いなどで出張にも出かける。18年间,我一直是普通学员,也不指望今后升职。继续做着有关艺术的工作,制作由自己企划的展览会,和艺术家交流,由于作品的出租交涉啊,以及回收的交易等等也会出差。よほどのことが起こらない限り、定年までこの調子で働き続けたい。それがささやかながら、唯一の私の望みだった。只要不发生什么大事情,我想就这样一直工作到退休。虽然这个愿望微不足道,但是是我唯一的愿望。私はこの生き方で満足だった。「あんたも結局、お父さんに似て地味な人生ね」と母に言われたことがあった。我对我现在的生活方式很满足。但曾被母亲说过,“你呀,结果还是像你爸一样,过着不起眼的人生啊。”残業を終えて帰る段になってから、私はようやく書類の山の上に打っ遣ったままにしていた茶封筒、手に取った。结束了加班的工作,准备着回去的时候,我才终于把扔在一大堆文件上面的信封取下来。ずっと気にはなっていたけれど、すぐに開封してはいけないように感じていた。間違いなくこれは亡き父からの最後のメッセージなのだから。虽然一直非常在意,但是觉得不能马上拆开信封。因为这肯定是去世的父亲留下的最后的信了。時計を見ると 、9:10 前だった。私は祈るような気持ちで茶封筒の封を切った。封筒は二重になっていた。私は封筒を逆さまにして振ってみた。我看了下表,不到9:10。我满怀祈祷似的打开了信封。信封有两层,我把信封倒过来甩了甩。カランと音を立てて、何かがデスクの上に転がり落ちた。それはカギだった。あまりにも意外だったので、私は「えっ?」と思わず声を出した。叮铃一声,有什么东西从桌子上滚落下来,原来是钥匙。因为太过意外了,我不由得“啊”了一声。なにこれ、これが誕生日の贈り物?手紙か何か入っていないか。封筒の中を覗いたり、もう一度振ってみたりした。这是什么啊?这就是我的生日礼物吗?里面没有信或者别的什么了吗?我看了看信封里面,又甩了甩。何も出てこない。全くもう驚かさないでお父さん、冗談のつもり?胸の中で父に語りかけた。什么都没有。真是的!不要吓我啊爸,开什么玩笑?我在心里对父亲说道。おかしなくらいグラグラと心が揺れていた。スプリングコートを羽織るとポケットに鍵と封筒を突っ込んで、照明を消し、学芸課を出た。我莫名地开始心神不定起来,穿上薄外套后,把钥匙和信封塞进了口袋里,关上灯走出了学艺教室。4月とはいえ、自然に肩にぐっと力が入るほどやきは冷たかった。カイロか何か温かなものを握るように。私はコートのポケットの中で鍵を握りしめていた。虽说已经四月份了,但是夜晚的寒冷,不由地叫人缩紧肩膀。像是要握着怀炉,或者别的什么温暖的东西一样,我紧紧地握住了外套口袋里的钥匙。校正:自然
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