Q:最近、「爪痕を残す」を良い意味で使う人がいるが、悪い意味の時に使う表現ではないだろうか?
问:最近有人把“爪痕を残す”用作褒义的表达,但它不是一个贬义用语吗?
「爪痕(つめあと)」について、「大辞林(第4版)」は、「①爪でかいた傷あと。②災害や事件などが残した被害のあと」という2つの意味を載せています。「爪痕を残す」という表現は、「今回の台風は、県内の農業に大きな爪痕を残した」というように、ニュースでも使われます。この場合の「爪痕」は、「災害や事件などが残した被害のあと」という意味です。
《大辞林》(第四版)中“爪痕(つめあと)”一词的释义是“①指甲抓出的伤痕。②灾害或案件留下的伤害、损失”两个意思。“爪痕を残す”的表达在新闻中也经常使用,例如“今回の台風は、県内の農業に大きな爪痕を残した|这次台风让县内的农业遭受巨大损失”。这里的“爪痕”就是“灾害或案件留下的伤害、损失”的意思。
しかし、最近では、「爪痕を残す」を、「印象づける」「成果をあげる」といった、良い意味で使う人もいます。「この大会で爪痕を残して、自分をアピールしたい」「今回の出演で、爪痕を残すことができた」といった発言を、スポーツ選手や芸能人がするのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
但最近也有人把“爪痕を残す”一词用于表达“留下印象”、“做出成果”等褒义的意思。应该也有很多人听过运动员或艺人有诸如“この大会で爪痕を残して、自分をアピールしたい|想要在这次比赛中留下好成绩,让大家关注到我”、“今回の出演で、爪痕を残すことができた|这次出演给大家留下了深刻印象”的发言。
このような「爪痕を残す」の使い方について、一般の人たちがどう感じているか、調査してみました。すばらしい演技をした場合に、「今回の出演で爪痕を残すことができた」と表現することについて、どう思うか聞いたところ、「おかしい」と答えた人が全体の40%、「おかしくない」が37%、「どちらともいえない」「わからない」が、あわせて23%でした。
我们做了一个调查,看看普通人是如何看待“爪痕を残す”的这种用法。当(演员在)演出中呈现出色演技时,别人夸赞他“今回の出演で爪痕を残すことができた|这次表演给大家留下了深刻印象”是否不恰当,调查中40%的人回答“不恰当 ”,37%的人回答“恰当”,23%的人回答“都可以”、“不知道”。
これを、年代別で見てみると、20代では「おかしい」が18%と割合が低く、「おかしくない」が62%だったのに対して、50代では「おかしい」が49%、「おかしくない」が33%でした。このように「爪痕を残す」を良い意味で使うことについては、年齢によっても、受け止め方が異なる傾向があり、若い人に比べて、年齢が高い人のほうが、「おかしい」と感じる人が多いことがわかります。
根据调查参与者的年龄来看回答,20代中觉得“不恰当”的只有18%,占比较低。相对觉得“这一表达是恰当的”62%的20代年轻人,50代中有49%的人认为“不恰当”,33%的人认为“恰当”。因此,将“爪痕を残す”用于褒义的用法,不同年龄段的人接受不同,与年轻人相比,年龄大的人较多认为这种表达“不恰当”。