南 誠(みなみ・まこと)
中国黒竜江省生まれ。横浜商科大学を卒業後、早稲田大学アジア太平洋研究科(修士)修了後、京都大学人間・環境学研究科で博士(人間・環境学)号取得。専門は歴史社会学、国際社会学。2014年より長崎大学多文化社会学部。
戦後の日本や中国という国民国家の境界によって包摂/排除され、今日でもエスニック・マイノリティ化している中国帰国者。本書では、マクロ、メゾ、ミクロの多様なデータの分析を通して、中国帰国者の豊かな生活世界を浮き彫りにしつつ、戦争犠牲者と棄民という特殊な事例ではなく、近代社会を生きる人々の普遍的な問題(境界文化)として捉え直した労作。
まえがき
序章 「中国帰国者」の境界文化
一 「中国帰国者」の問い
二 「中国帰国者」の先行研究
三 本研究の分析視角と枠組み
第一部 歴史編
第一章 国民の包摂と引揚
一 国民の送出と包摂
二 引揚と「再祖国化」
三 包摂の余剰
四 国民の包摂と外交
第二章 不完全な国民統合
一 法的処理と国籍問題
二 「残余カテゴリー」の排除
三 法的主体の抹消
四 忘却と記憶のあいだ
五 法の例外状態
第三章 もう一つの包摂物語
一 実態の把握
二 日本人政策の模索
三 国籍と社会統合
四 剥き出しの生
第二部 表象/実践編
第四章 忘却と想起の痕跡
一 「日中友好手をつなぐ会」の活動
二 肉親捜し・帰国促進運動と日本社会
三 民間団体の主張
四 残留と棄民の系譜
五 親密圏から公共圏へ
第五章 支配的物語の生成
一 記憶・表象するメディア
二 錯綜する記憶・表象
三 記憶・表象の政治学
四 「中国残留日本人」は語られたか
第六章 境界の集合的構築
一 「中国帰国者」の「再」包摂
二 国家賠償訴訟運動と社会的構築
三 集合的表象
四 沈黙の語り
第七章 境界文化の政治学
一 命名のポリティクス
二 呼びかけられる行為体
三 境界文化の政治
四 境界文化の諸相
終章 生成的な境界文化
一 「中国帰国者」の歴史/社会的構築
二 「よき国民」と社会的排除
三 今後の課題
あとがき
中国帰国者に関する年表
参考文献(アルファベット順)
中国語文献
著者紹介
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