山東省済南市で最近、あるネットユーザーが乗客の一人が「豚バラの厚切り煮」をかざして料金を支払い、公共バスに乗っている一幕を捉えた動画を投稿し、話題となっている。
かざしていたのは、実は交通カードで、山東省名物の豚バラの厚切りを醤油味で煮込んで作る肉料理「把子肉」をリアルに再現したデザインとなっている。そしてこの「把子肉」交通カードは全国共通交通カードの利用が可能な中国国内の都市であれば、どこでも利用でき、公共バスや地下鉄に乗ることができる。
実はこうしたユニークな交通カードは済南市だけでなく、中国の一部の有名な観光都市も、現地の歴史や文化、特色あるコンテンツと交通カードをコラボレーションさせている。例えば、陝西省西安市は、同市の歴史と文化の要素を盛り込んだ虎の形に作られた銅製の割符「虎符」文化観光カードや、皇帝が使用する印「玉璽」交通カードを打ち出している。また、湖北省武漢市は、越の王「勾践」が保有していた名剣「越王勾践剣」をモチーフにした交通共通カードを、河南省洛陽市は、市花である牡丹をモチーフにした交通カードを打ち出している。
山東大学社会学科の王忠武教授は、「独特な文化的奥深さ、ユニークなデザイン、高い付加価値などが売りの文化クリエイティブグッズは、都市の観光商品体系を充実させているほか、都市ブランドイメージを高め、地方経済の発展を促進している」と分析する。
調査会社の智研咨訊が発表している報告によると、2023 年、中国文化クリエイティブグッズ市場の規模は前年同期比13.09%増の163億8000万ドル(1ドルは約151.5円)に達した。
大まかな統計によると、2023年の時点で、三星堆博物館、故宮博物院、上海博物館、中国国家博物館、蘇州博物館の支出入は年間1億元(1元は約20.9円)以上に達し、一部の大型博物館の文化クリエイティブ産業は発展して成熟期に入り、文化クリエイティブグッズ系の売上高が、博物館の総売上高の3分の2、またはそれ以上を占めるようにさえなっている。
「把子肉」交通カードのほか、済南市は近年、錦鯉マグネットや済南八景立体画といった現地の文化的シンボルを盛り込んだ一連の文化クリエイティブグッズを打ち出してきた。
さらに、済南市は、「把子肉」のヨーグルトやアイスクリームなども打ち出し、地元住民や観光客の間で大きな話題となったこともある。報道によると、把子肉アイスクリームを食べるために、河北省石家荘市からわざわざ済南市に旅行に来た観光客もいるという。
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